【失敗談あり】農業を継いだ後に後悔したこと&その対策まとめ|脱サラ・移住・起業前に知っておきたいこと

「脱サラして農業を始めたい」「地方で農業を継いで自立したい」——そう考える人は年々増えています。
しかし現実は甘くなく、就農後に「こんなはずじゃなかった…」と後悔する人も少なくありません。
本記事では、実際の失敗談を交えながら「農業での後悔あるある」と「その対策」を紹介します。事業承継や新規就農を考えている方、特に地方移住を検討している脱サラ希望者にとって、後悔しないための必読情報です。
よくある後悔とその背景
1. 想像以上にお金がかかる
後悔ポイント:「初期投資もランニングコストも予想より大きかった」
- トラクターやハウスなどの機械設備費用
- 燃料や資材、肥料などの変動費
- 自宅の改修や移住にかかる費用
対策:資金計画を緻密に。補助金や融資制度を活用
農業次世代人材投資資金(旧青年就農給付金)や地域の移住支援金、自治体による設備補助などがある。事前に「見える化」した資金シミュレーションを行うことが不可欠。
2. 技術より「販売」が難しい
後悔ポイント:「野菜は作れたけど、売れない」
- JA出荷一辺倒では価格に納得できない
- 直売所での価格競争、売れ残り
- SNS集客やECの知識不足
対策:販路を複線化し、地域ニーズを調査
就農前から市場や地域ニーズを調査し、自分の得意分野(加工・発信・販売など)を持つ。販路は「JA+直売所+飲食店+通販」など多層構造が理想。
3. 地元住民との関係づくりが難しい
後悔ポイント:「受け入れてもらえると思っていたが、よそ者扱いされた」
- 近隣との境界線トラブル
- 暗黙のルールや慣習
- 情報の入手経路が分からない
対策:小さな信頼の積み重ねを意識する
農協や消防団、地域行事など「地域の小さな輪」に入る努力を。最初は“手伝う・聞く・挨拶する”の3つを徹底。過度に干渉されることもあるが、それを避けるより「共に過ごす」時間を重ねることが重要。
4. 家族の同意が薄かった
後悔ポイント:「自分だけの夢で突っ走ってしまった」
- 配偶者が孤立
- 子どもの教育環境への不満
- 生活の質の低下
対策:移住前に「家族会議」を何度も重ねる
特に地方移住を伴う場合、配偶者の再就職・子どもの進学・医療施設の充実度なども含め、家族全体の視点で計画を立てるべき。
5. 親世代との価値観ギャップ
後悔ポイント:「継いだ農業がやりたい形と違った」
- 慣行農法を変えたいが反対される
- 設備や販売先が固定化
- 書類や契約が属人的で非効率
対策:経営計画を“共創”するプロセスを設ける
第三者(農業経営アドバイザー、中小企業診断士など)を交えて話し合うことで、感情的な衝突を避けながら将来像をすり合わせることができる。
よくある質問(Q&A)
-
農業を継ぐ前にやっておくべき準備は?
-
見える化です。資金計画、販路戦略、人間関係(地縁・血縁)、自分の価値観やビジョンなど、頭の中にある理想を言語化・数値化することが最優先です。
-
事業承継って、どこに相談すればいい?
-
「事業承継・引継ぎ支援センター」(各都道府県に設置)や、「農業経営アドバイザー」「地域農業改良普及センター」が良い入口です。相談は無料です。
-
どうしても親と合わない場合は?
-
継がない、という選択肢もあります。自分で一から農業を立ち上げる道もあり、その際は「農地中間管理機構」などを使えば農地の借り受けも可能です。
まとめ:後悔しない農業のために「準備×対話×外部の知恵」を
農業は「技術職」であると同時に「経営職」でもあります。
情熱や理想は大切ですが、それだけでうまくいくほど甘くないのも現実。
就農後に後悔しないためには、準備・対話・相談が不可欠です。
あなたの「農のある暮らし」が、実りあるものになりますように。